「負けた時の言い訳を残すな」
みんなには「座右の銘」というものはありますか?
座右の銘って言うと硬い感じがするから少し言い方を変えると、自分の心の中で大切にしている言葉、フレーズなどはありますか?
多分みんなの中にも「継続は力なり」とか「為せば成る」とかの言葉を胸に刻んでる人がいると思うんだ。
俺にも一生大事にしていこうって言葉が1つあってそれは中学生の時に野球部の顧問の先生が言っていた言葉で
「負けた時の言い訳を残すな」
っていう言葉なんだよね。
君たちは今まで数々の失敗、敗北を経験してきたと思う。それは俺もそうだ。勝つこと、上手くいくことの方が少ない。
その中でひとつでもいいから失敗したときのこと、負けた時のことを思い出して欲しい。
例えば部活の大会で負けてしまった時
「審判が悪かった」「今日は調子が出なかった」「あいつがミスしなければ」
テストで上手く結果が出なかった時
「ケアレスミスしたから!」「忙しくて勉強時間が足りなかったんだ!」こんなことを口に出したこと、考えたことは無いだろうか。
今あげたもの全部、失敗したことや上手くいかなかったことの言い訳だ。
審判が悪いのは相手も感じているんじゃないだろうか?
調子だって本気で調整しようとしたか?
テストが終わったあとの見直しは?
字はきれいに書いた?
勉強時間がないなら作ろうと本気で努力したか?
人は何か失敗した時に自分以外の何かのせいにしがちだ、だってその方が気持ち的には楽だから。
でも
それってすごいダサいし、後悔が残るものじゃない?
これから君たちは受験というとても大きな勝負に挑んでいく。それが失敗した時にも言い訳をするつもりか?
この辛く長い夏期講習を乗りきった君たちに、結果がどうあれ受験を通して後悔を残して欲しくない、ダサい人間になって欲しくないんだ。
少し俺の高校時代の話をしたいと思う。
俺は市立浦和高校に入学した。偏差値は68くらいの高校だった。
そこでは野球に全力を注ぎたいと思っていたので引退するまではずっと野球だけやってきた。
その結果引退した時の成績は320人中280位受験まで半年しかない段階で絶望的な成績だった。
そこから意識してきたことは「負けた時の後悔を残さない」ようにすることだけ。
この単元の勉強をしてないからでたら後悔するな、今日ここでサボったら絶対に後悔する
な。
後悔に繋がるものを一つ一つ無くしていく努力をしていった。
毎日毎日電車の中で勉強、休み時間も勉強、学校が終わったあとすぐ自習室に行き、下校時間が来たらエイメイに行って勉強をした。
半年後に後悔だけはしたくないと思って勉強し続けた。
心が折れそうな時も何度もあった。
模試で20点台だった数学、夏休みには毎日5時間以上勉強するように徹底した。
でも夏休み明けのテストでは30点だった。
模試の成績は本番の1か月前までE判定以外でたことがなかった。
ほかの友達が順調に成績を伸ばしている中自分だけが上がらない。
担任の先生にも志望校の変更を迫られた。
焦りや不安、悔しい気持ちでいっぱいだった。
最後の数ヶ月はストレスで眠れなくなってしまったこともある。
それでも後悔の元になるものを断ち切ろうと努力した。
志望校は自分が決めたもの
それに対して全力で努力したからもうダメでも後悔はない、そう思えるくらい頑張った。
最後の月は200時間以上勉強していた。
そしてついに大学入試センター試験。結果は合計で9割を超え、志望校の受験生の中で1位を取ることができた。偏差値で言うと40から65まで上がった。本当に嬉しかった。
あの時の全てが報われたような達成感は一生忘れないと思うし、その経験があるから今も頑張れているのだと思う。
ここでもう一度聞きたい。
受験に対して君たちは言い訳をするつもりか?
後悔が残ってもいいか?
3年生全員社会の単語テスト、毎回やっているけれど結果はどうだ?それまでの過程はどうだ?
もし受験本番で一問一答の中の覚えていない単語が出て点数を落としたらどうだろうか?
3Tのみんな、大問1を絶対に落とさないように口酸っぱく俺は言っている。
普段の授業から緊張感を持って本気で問題に向き合えているか?
「宿題やる時間がなかった」「次は満点とるよ」こんなセリフを俺はもう聞きたくはない。
去年俺が担当した生徒でいつも授業中には眠そうで、宿題もなかなかちゃんと出せない生徒がいた。
ある時に帰りが遅くなってしまったので自転車で家まで送ってあげる機会があった。
その途中その子は「このままじゃダメだから変わりたい」そんなことを口にした。
そこから家に着くまで、その子は現状をどうしたら変えられるか本気で考えていた。
そこでは、ゲームや漫画はあるとダメだから親戚の家に移す、毎回授業後に数学のプリントを1枚貰ってやって帰る。そんなことを決めた。
他にもその子は自分が変わるために、後悔を残さないために出来ることはなんだってやった。
俺以外の先生とも何度も何度も面談を繰り返し、少しずつ変わっていった。
最後には志望校合格という夢を叶えた。
今でもたまに話すことがあるが、本当に楽しそうに高校の話をしてくれる。
その楽しさはあの時頑張ったから味わうことの出来る特別なものだ。
変わるのに遅すぎるなんてことは無い。
ここから半年後、全てやりきったと思えるよう、後悔が残らないように今この瞬間からの君たちの行動に期待をしています。一緒に頑張りましょう。